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【特集】通訳に聞く
(序)英語の回路とは----英語脳とは?
(1)英語で考えるとは----通訳する時はどのように考えているのか?
(2)シャドウイング編----最近話題の通訳訓練の一つ
(3)日本語から英語に変換するポイント編
(4)主語について----主語を言い換える
(5)動詞について
(6)チャンク編----英語は言葉のかたまりのチャンクで構成されています。
(7)発音編----英語と日本語の発音の違いについて。
(8)リスニング編 ----どうすれば、リスニングの力を伸ばすことができるか?
(9)チャンクの法則
  語順とチャンクの関係/不定詞=名詞を修飾 /不定詞=名詞として使う / 不定詞=副詞として使う / 分詞について / 関係代名詞
(10)発音の基礎を確認しましょう

------ 主語の言い換えについてもう少し聞いてみたいのですが・・・・

yumi   話題の中心を主語にする場合もあります。
       たとえば、「身体が弱くては決して満足のいく仕事を達成できない」
       の場合、<you>を主語にもできますが、話題の中心である<a body>
       を主語にして
       A weak body will never be able to accomplish a satisfactory task.
       (弱い体は満足のいく仕事を達成できな)

       「彼が成功するかどうかは、時間の問題だ」は「彼の成功」を主語に
       His success is only a matter of time.
       (彼の成功は時間の問題だ)

       「以下の提案を考慮に入れるべきです」は「提案」を主語に
       The following suggestions should be taken into consideration.
       (以下の提案が考慮されるべき)

------ なるほど。前回のマガジンで少し説明したのですが、<it>を主語に
       する場合はどうですか。

yumi   まずは、天候などの「状況」を説明する時に使われます。  
       この<it>は話し手の目の前に広がる世界を表すと考えれば良いと思
       います。時間を表す<It takes 3 hours.>の<it>もその発想で理解
       していただければ良いと思います。

       また、<It is〜>で「強調」の意味で使うこともあります。
       「何だ、君か」は<Oh, it's you!>
       「我々がそこに着いたのは真夜中だった」で「真夜中」を強調して
       It was midnight when we arrived there. 

       他に、「価値判断」を表す場合も<it>を主語にする場合が多いです。
       It is important 「貴重」
       It is wise 「賢明」
       It is advisable 「望ましい」
       その他、easy, difficult, useful, helpful など色々あります。

       特に誰かの行為を評価する場合には、<it>を使わないと、直接的で
       きつい言い方になってしまいますので、<it>が多用されます。
       その場合は It is 〜 of 人 と It is 〜 for 人 の2通りがある
       ので注意してください。

       It was stupid of you to say such a thing.
       (あんなことを言うなんて愚かだった)
       It is unwise of you to give up the project.
       (その計画を断念するのは賢明ではない)

       It would be inadvisable for you to criticize him.
       (彼を批判すると不利になるだろう)
       It is proper for you to pay your debt.
       (借金を返すのは当たり前)

------ 話は変わりますが、スティーヴンキングの本で<IT>というのがありま
       すが・・・

yumi   <It>には「鬼ごっこ」の「鬼」という意味があるんです。おそらく、
       その意味で、怖い存在のことだと思います。
       Who is it?  You are it now.
       鬼は誰? 今度は君が鬼だよ。

------ 聞いてみないとわからないものですね。



------ 前回は主語の言い換えについて、話題の中心を主語にするケースや
       <it>を主語にする場合を聞きましたが、他にもありますか?

yumi   その他、よく使うのが<There is/are>ですね。
       普通は「何かがある」という存在について述べる時に使いますが、
       この用法を覚えれば、表現が増えますよ。
       
------ たしかに、「何か物がある」という表現にとらわれている感じがし
       ますね。

yumi   大体、日本語で「〜がある/ない」という表現には使えますよ。

       「疑いがある」
       There is some doubt about the safety of this medicine.
       「隔たり(相違)がある」
       There is a difference between his philosophy of life and mine.
       「逃げ道がある」 
       There is a good way out of the difficulty.
       「脈がある」
       There is hope for me.
       「可能性がある」
       There is a possibility.
       「道理がある」
       There is some truth in what he says.
       「意見がある」 
       There are many kinds of opinions about it.

       「心配はない」
       There is no need to worry.
       「疑いの余地はない」
       There is no room for doubt that he did it.
       「兆しがない」
       There are no signs of an upturn in the economy.
       「見る影もない」ほどやつれていた
       There was nothing left of him but skin and bones.
       「道理/理由がない」
       There is no reason why you shouldn't come.
       「比較にならない」
       There is no comparison between these two cases.
       「限界がない」
       There are no limits to his ambition.
       「仕方がなかった」
       There was no help for it. 

------ なるほど。たしかに、日本語の「ある」に随分対応していますね。
       その他、使える表現はありますか?

yumi   そうですね。例えば「話ばかりで前に進まない」なんていうのも
       There is too much talk and not enough work being done.

       「声があがる」も言えます。「反対の声があがった」は
       There was an outcry against the plan.

       「バスが通っている」も発想を変えれば
       There is bus service between Tokyo and Osaka.

       「よく取りざたされている」も「噂が多い」と考えれば
       There are a lot of rumors going around about him.


------ 「〜する意味がない」という場合も
       There is no point in 〜ing で言えますね。
       こういうパターンを覚えることも大切ですね


------ 前回は主語の言い換えについて、<There is/are>を主語にする場合を
       聞きましたが、他にもありますか?

yumi   通訳していると、よく「〜な人々」という表現を使いますので、そこで
       使うのが<those who>ですね。例えば・・・・

       自然を愛する人々 
       those who love nature

       一生けん命に働く人々
       those who work hard 

       想像力に乏しい人々 
       those who are lacking in imagination

       伝統を重んじる人々 
       those who cherish traditions
       
------ 私も以前、これを言おうとして<people who>と言ってしまいましたが(笑)
       <those who>でよかったんですね。

yumi   これは、もう決まり文句のようなもので、「〜な人々」はこれで覚えて下さい。

------ ちょっと古い言葉ですが「ながら族」もこれで言えますか?

yumi   those who listen to the radio or watch TV while studying(working)

------ なるほど。それでは「社用族」は
       those who pay money by company accounts

yumi   意味から言いますと
       those who enjoy a high standard of living on company accounts
       になると思います。

       この<those who>は覚えれば便利で、主語にしたり、目的語にしたり・・・・
       まず「主語」にすると

       手の空いてる人はこの箱を運ぶのを手伝ってください 
       <Those who are free>, please help carry these boxes.

       提案に賛成の人は挙手を願います 
       <Those who are in favor of the proposal>, please raise your hands.

       希望する人は事務所で申し込んでください 
       <Those who are interested> should apply at the office.

       「目的語」にすると

       戦争の犠牲者をしのぶ
       We remember <those who died in the war>.

       経験のない者を除外した 
       We ruled out <those who had no previous experience>.

       悩みのない人がうらやましい 
       I envy <those who are free from care>.

------ たしかに、便利ですね
       名簿からシンガポール在住者を取り出した 
       I picked out those who live in Singapore from a list.

       他に覚えておくと便利な表現はありますか?

yumi   「ことわざ」なんかどうですか・・・

       天はみずから助くる者を助く
       Heaven helps those who help themselves.

       果報は寝て待て=すべては待つ者に来る
       Everything comes to those who wait.

------ 今回も勉強になりました。



------ 前回は<those who>を主語にした場合を教えてもらいましたが、他によく、
       主語に使う言葉はありますか?

yumi   そうですね。あとは代名詞を使う場合ですね。
       定番は関係代名詞<what〜>ですね。

       <What you need> is courage.
       あなたに必要なものは勇気である
 
       <What he is thinking> is far beyond my imagination. 
       彼は私の想像も及ばないことを考えている
      
------ <All〜>もそうですね。

yumi   これも決まり文句のようなものですね。
       <All(that) you have to do>とか<All you can do>がよく使われます。

       <All you have to do> is (to)turn it on.
       スイッチを押すだけ

       <All you have to do> is get in touch with me by tonight.
       今夜までに連絡を取るだけで良い

       <All you can do> now is wait.
       今できることは待つだけ

       その他、
       <All I did yesterday> was watch TV.

------ All があるということは、everything や nothing もあるんですか?

yumi   ええ
	目に入るものすべてが珍しかった 
	<Everything I saw> was new to me.

	君の言うことはワンパターンだ 
	<Everything you say> leads up to the same thing.

------ everything や nothing だけ主語にしてもよく使いますね。

	Everything is going well.
	万事うまく行っている

	Nothing goes as I want.
	すべてうまく行かない 

yumi   ことわざの類は

	待てば海路の日和あり
	Everything comes to him who waits.

	無から有は生じない
	Nothing comes of nothing.

------ 「待てば海路の日和あり」って、そういう意味だったんですか(笑)

	あと、よく書類なんかにも
	「特記事項なし」 
	Nothing of particular note. 

yumi   これなんかどうですか?
	当たって砕けろ!
	Nothing ventured, nothing gained.

------ 今回も勉強になりました。次回は、なかなか日本人が使えない<you>の
	使い方について聞いてみたいと思います。



------ 今回は、なかなか日本人が使えない<you>の使い方について聞いてみた
       いと思います。

yumi   日本語には訳さない、一般的な「人」を指す<you>のことですね。

------ はい、よく使われるんですが、いざ自分が使おうとするとぎこちない・・

yumi   たとえば、「青春時代は二度と戻らない」なら
       You can never regain your youth.

       この<you>は「誰でも」の意味ですが、<one>よりも親しみがあって
       よく使われます。

------ よく、税金の話なんかに出てきますね(笑)。
       「土地を売ると税金がかかる」
        A tax is imposed when you sell land.

    あと、教訓めいた話にも出てきますね。
       「酒に飲まれてはいけない」
        You must keep control of your drinking.
       「災害は思わぬ時に起こる」
        You never can tell when a disaster may occur.

        これらのyouは、別に目の前の人を指しているのではないですね。

yumi   ことわざの類にもよく使われます。

       「口はわざわいの元」 
        Your tongue will get you into trouble.
        (The less said, the better.)

    「人は外見では分からない」
    You cannot judge people by their looks.
        =You can't judge a book by its cover.

       こんなのもあります。
       「当たるも八卦当たらぬも八卦」 
        You can never tell whether a prophecy will hit or miss.

	どれも、日本語にすると訳さないのが特徴です。

------ 学校の授業の実験などにも使われますね。
       If you unite hydrogen and oxygen, you can make water.
      「水素と酸素を結合すると水になる」

yumi   この場合、質問されても、<I>ではなく、<you>で答えます。

       What happens if you unite hydrogen and oxygen?
       You can make water.

------ 他に、気をつける<you>の用法はありますか?

yumi   呼びかける時にも<you>が出てきますね。

       You there! そこの人
       You ladies! そこの奥さん方

------ 学校の先生も You boys! と言いますね。
       こうして見ると、<you>も奥が深いですね。
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