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【特集】通訳に聞く
(序)英語の回路とは----英語脳とは?
(1)英語で考えるとは----通訳する時はどのように考えているのか?
(2)シャドウイング編----最近話題の通訳訓練の一つ
(3)日本語から英語に変換するポイント編
(4)主語について----主語を言い換える
(5)動詞について
(6)チャンク編----英語は言葉のかたまりのチャンクで構成されています。
(7)発音編----英語と日本語の発音の違いについて。
(8)リスニング編 ----どうすれば、リスニングの力を伸ばすことができるか?
(9)チャンクの法則
  語順とチャンクの関係/不定詞=名詞を修飾 /不定詞=名詞として使う / 不定詞=副詞として使う / 分詞について / 関係代名詞
(10)発音の基礎を確認しましょう

------ 読者の方から、シャドウイングについて次のような質問が来ました。

>これは英語を聞いてある程度区切りがついた後でリピートするのですか
>それともできるだけ同時に発音するのですか。
>前者だとすぐ続くと、そこは聞き取れず、後者だとある程度予測できない
>とフォローできません。

yumi   基本は、できるだけ同時に発音していきます。はじめは、音をまねるだけで
       精一杯だと思います。ですから、最初のうちは、CDなどの音声がついてい
       る教材を使い、まず読んで意味を理解してから、シャドウイングをして発音
       やイントネーションを中心にまねても良いと思います。
       はじめのうちは、テキスト見ながらでも構いませんが、慣れて来たら、テキ
       ストを見ないで練習します。
       テキスト見ない練習に入る時の注意点は、80%を目指すことです。聞き取
       れなかった単語があっても気にしていけません。決して立ち止まらないで、
       続けていくことです。初めは、50%でも良いと思います。100%を目指
       すのは無理ですから、日本語でも難しいですので、70から80%出来るよ
       うになれば上出来だと思ってください。
       それと同時に、常に基本的な発音練習をすること。自己流の発音をしている
       人は、それがクセになっていて、英語の音を聞いても、それを頭の中で自己
       流の音に置き換えてしまうので、発音が矯正されない場合があります。

       さらに、それに慣れて来たら、CNNやFENなどのニュースなどを使って
       挑戦してみてください。
       あと、自分の声で教材の英語の音がかき消されますので、はじめはヘッドホ
       ンを使って行ったほうが良いでしょう。そして自分の声を録音してみてくだ
       さい。自分の英語がどのように聞こえているか、知ることも大事です。

       一般的に、シャドウイングはリスニング能力を飛躍的に向上させると言われ
       ています。ものすごい集中力のせいだと思います。
       スピーキング練習には、意味のわかる教材を使い、まずシャドウイングで発
       音やイントネーションを学び、さらにそれを再生=リプロダクション、暗誦
       する練習をします。その時に大事なことは、なるべくその英語を使う状況を
       イメージして行うことです。そしてさらに、単語などを入れ替える練習がで
       きれば応用力もつきます。



------ シャドウイングについて、読者の方から、色々ご意見をいただきました。
       初心者にはなかなか難しいようですね・・・

yumi   もともとは通訳用の練習方法ですから少し難しいかもしれませんが、最近
       は、中学校や高校でも取り入れているところもあるようです。
       ただ、その場合は、テキストの音読から入るようですが。

------ 初心者は、まず、テキストの内容を良く理解してからの方が効果的だと思
       います。単語の意味や構文を理解してから、音声を聞くと違います。

yumi   そうですね。はじめは、同じ教材を暗記というか、頭に染み込むまで繰り
       返したほうが語彙や表現も増えますね。
       繰り返して読んだり、口にした英語は意外と覚えているものです。ただ、
       前にも話しましたように、発音の基礎はしっかり勉強してください。
       また、英語は強弱が大事ですから、その点も頭に入れてシャドウイングし
       てください。
       
------ ある方の体験では、15分くらいのスピーチをそれこそ、暗誦できるまで
       シャドウイングを繰り返したそうです。それで語彙や表現が増えたと同時
       に今言われた、英語では強弱をつけるということもよく分かったそうです。

yumi   日本語は強弱ではなく、音の高低で変化をつけますので、どうしても日本
       人の英語はリズム感がなく、ネイティブにはとても聞きづらいんです。
       ですから、はじめは大げさなくらい強弱、ストレスをつけた方が良いと思
       います。

------ 何かの本で読んだのですが、日本語は左脳を使い、英語は右脳を使うらし
       いのです。だから、日本人は英語を聞くとまず左脳で日本語に変換してし
       まうため、英語のスピードについていけないらしいのです。
       でもシャドウイングだと、そんな余裕がないので、直接右脳で処理をする
       ようになるのではないでしょうか?

yumi   私はあまり脳のことはわかりませんが(笑)、たしかにシャドウイングです
       と日本語に置き換える時間がありませんので、そのまま英語で理解する習
       慣がつきます。

------ シャドウイングはたしかに、リスニングの力を養うには効果的ですが、話
       す力を養うことはできるのか?という質問がありましたが・・・

yumi   先ほども言いましたように、まず、英語のリズムを養うことができます。
       しかし、ニュースやスピーチを教材にした場合は、直接日常会話には結び
       つきません。
       日常会話は決り文句が多いですし、短いフレーズが主です。ですから、会
       話形式の教材を使って、シャドウイングをすれば応用できると思います。
       ただ、逆に、短いフレーズばかり覚えても、自分の言いたいことを言える
       ようになるわけではありません。そういう場合は、ショートスピーチなど
       の構文を応用できるようにしたほうが効果的です。

------ 以前にも話題になったように、「話す」という場合には、「日常会話」と
       「自分の意見を言う」場合に分けて考えたほうが良いということですね。

yumi   そうです。海外旅行だけなら、簡単な会話で済みますが、実際に、何かを
       を英語説明したり、自分の意見を述べるには、構文などをきちんと理解し
       なければなりません。

------ 英語のレベルを簡単にまとめたものがあるので、参考にしたいと思います。

ACTFL(American Council on the Teaching of Foreign  Language)「全米外国
語教授法審議会」が1989年に定めた基準。

-----------------------------------------------------------------
NOVICE(初級)

機能−−−−暗記した基本文が言える程度
内容−−−−日常のごく一般的な話題に限られる
正確さ−−−ノンネイティブの英語に慣れた人が聞いても、ちょっと
      わからないことがある
表現レベル−単語や句を言うのが精一杯、文のレベルに達していない

-----------------------------------------------------------------
INTERMEDIATE(中級)

機能−−−−簡単な質問に対し質疑応答することにより、簡単な対話
      を維持できる
内容−−−−自分自身やごく身近な話題に限って扱える
正確さ−−−何度か繰り返せば、ノンネイティブの英語に慣れた人に
      理解される
表現レベル−文レベルの発話ができる

-----------------------------------------------------------------
ADVANCED(上級)

機能−−−−どの時制を用いても、物事を記述したり言い伝えること
      ができる
内容−−−−具体的で事実に基づいた私的、公的な問題を扱える
正確さ−−−ノンネイティブの英語に慣れていない人ににも、困難な
      く理解してもらえる
表現レベル−段落レベルのスピーチが可能

-----------------------------------------------------------------
SUPERIOR(超上級)

機能−−−−意見の擁護、抽象化、仮定化が可能で、広い分野にわたっ
      て議論することができる
内容−−−−一般的な話題から専門的な話題、具体的な話題から抽象的
      でなじみが浅い話題を扱える
正確さ−−−間違いなく、どんなネイティブスピーカーにも理解しても
      らえる
表現レベル−ある一定の長さのスピーチが可能

-----------------------------------------------------------------

------ この基準で言うと、「文レベルの会話」が出来るようになるには、構文など
       をしっかり学ばないといけないということですね。



------ シャドウイングをしていて気が付いたのですが、時々、発音がうまくでき
       単語があります。

yumi   実は、それが大事なんです。日本人は文字から単語を覚え、しかもローマ
       字読みでスペルを覚えようとしますから、もう一度、音から単語を覚え直
       す必要があります。

------ うまく発音ができないということは、間違った発音で覚えている場合があ
       るということですね。

yumi   気をつけてもらいたいのは、ローマ字読みで覚えている場合だけでなく、
       アクセントの位置です。中級レベルの方でも、自分が読みやすいように
       アクセントの位置を間違えて覚えている方がいますので。

------ 前から、疑問だったのですが、「聞ければ、発音できる」という言い方と
       「発音できれば聞ける」という言い方がありますが、どちらが正しいので
       すか?

yumi   非常に耳のよい方は聞こえるようにまねているうちに、舌の位置も正しく
       なる場合があります。特に、子供は自然に舌の位置を真似できます。しか
       し、多くの方は、耳が日本語の音に慣れてしまっているため、英語の音を
       ただしく聞き取れないわけです。
       そういう場合は、自分が正しい発音を繰り返すうちに、耳が英語の音に慣
       れていく場合があります。
       もちろん、大量の英語を聞いて、耳を慣らすという方法もありますが。

------ たしかに、私も子音の発音を繰り返すうちに、子音が聞き取れてくるよう
       になりました。

yumi   ある程度、発音ができてくると、<F>の音を聞くと、自然に自分も下の
       唇を上の歯に当てている場合があります。また、スペルを見ても、自然に
       舌が動くようにもなります。

------ そういえば、アルファベットって、舌の位置を現している感じがしますね。
       <r>は舌が丸まっている感じですし、<lエル>は舌が上に伸びている感
       ですね。

yumi   前にも言いましたが、発音の基礎はしっかり学んでください。特に子音の
       発音は、大事ですから。
       あとは、シャドウイングを繰り返して、どんどん単語を耳で覚えていくこ
       とです。

------ 時々、アメリカ人っぽく、なんでもかんでも巻き舌にしている方がいます
       が(笑)

yumi   スラングや特定の発音の崩すのは、母国語として話せる人だからこそ受け
       入れられます。ノンネイティブがそれを真似するのあまり良いこととは思
       えません。例えば、水 water 「ワーラ」と発音しても正しい発音にはなり
       ません。舌の位置が<t>の位置になっていないと駄目です。

------ たしかに、決り文句はネイティブ並に発音できても、自分の言いたいこと
       が言えないのでは変ですね。

yumi   実は私もアメリカにいたので、母音を曖昧に発音するクセがあります。
       国際会議の時は、アメリカ的な発音の理解が難しい場合があるので、そう
       いう時は、気をつけるようにしています。

------ 特にアジアでは、イギリス英語を話す人が多いですね。いまや、アメリカ
       英語が主流とは言えないということですか?

yumi   そうですね。英語と米語は大きく違って来ていますし、第二外国語として
       英語を学んでいる人にはアメリカ的な表現が通じにくい場合もあります。

------ ということは、シャドウイングの教材にも気をつけた方がいいですか?

yumi   できれば、正しい英語、つまりスラングや若者言葉が多いものは避けた方
       が良いと思います。特に社会人は、礼儀正しい言い方を学ぶべきだと思い
       ます。



------ まず。読者から質問が来ていますのでお願いします。
       「シャドウイングがリスニング力を向上させるというのはどういう意味で
       すか?」

yumi   最近、各種学校機関などでシャドウイングを取り入れているようですが、
       シャドウイングがリスニング力を飛躍的に向上させるとう結果が出ている
       ようです。
       よく、長時間英語のシャワーを浴びれば、リスニング力がつくと言われま
       すが、これはあくまでも聞き手の姿勢によります。特に気をつけなければ
       ならないのは、いつの間にか、聞ける音だけを拾い、そこから類推して英
       語を理解する癖をつけないことです。
       たしかに、聞けた音から類推して相手の言っていることを理解することは
       急場では役に立ちますが、大きな間違いを犯す原因にもなりかねません。
       そういう癖がつくと、英語を集中して聞くことがおろそかになり、かえっ
       リスニング力を低下させてしまいます。つまり、英語をただ聞き流すだけ
       になってしまうからです。そういう状態では、いくら大量の英語を聞いて
       も効果は小さくなります。
       それに比べて、シャドウイングは一つ一つの単語を聞き取る訓練でもあり
       ますから、耳が積極的に音を拾うようになるわけです。

------ なるほど。たしかに、海外で生活していても、その辺を注意しないと、い
       くら英語を聞いても進歩しないわけですね。

       次の質問です。
       「リプロダクションについてもう少し詳しく教えてください」

yumi   reproduction「再現、復元」はreproduce「再現する、模写する」の名詞
       ですが、聞いた英語を「再現する」訓練です。
       いくつかやり方がありまして、まず、英語を短く切って、音を聞き、再現
       するやり方です。これは初心者には有効だと思います。英語のテープなど
       を文節で切って再生させ、その音を聞いた後に同じように音を真似て再現
       することを何度も繰り返します。
       次に文章単位でこれを行います。この時は、完全に話し手になりきって、
       その英文を再現してください。何度も繰り返しこれを行うと、自然にその
       英文を覚えてしまいます。そうなれば、その英文を応用する力を養うこと
       もできるようになります。
       3つめの方法は、今度はその英文を聞いて、自分の言葉で言い直す方法で
       す。英語を英語に訳すという感じでね。主語や述語を変えたり、受身にし
       てみたり、いくつかの文章にわけてみたりしてみてください。これは自分
       の知っている英語の知識を総動員させるわけですから、良いセルフトレー
       ニングになると思います。




------ はじめに読者からの質問です。
      「サイト・トランスレーション」について聞きたいということです。

yumi   これは、同時通訳には欠かせない英文を頭から訳していく技術です。
       日本人は長文読解の方法として、後ろから訳すのがクセになっていますが
       英語を聞き取る時は、最後まで待っていては遅すぎて対応できません。
       通訳は、その場で聞きながら、「これは訳す必要はない」「これは覚えて
       おいて後から付け足す」ということを一瞬に判断します。

       例えば、
       It is important to make a good start in a business venture.
       という英文を聞くと、頭の中では「大事だ、立ち上がりが、事業では」
       という風に頭から訳し、日本語にする時には、<It is>は訳さないで、
       <important>は記憶に残しておいて、先に「事業では立ち上がりが」
       として、「大事です」と付け足すわけです。
       ですから、基本的には頭の中では、英語の語順の通り理解しているわけで
       す。

       勉強の仕方としては、教材を読むときに、正しい日本語にすることを忘れ
       て、どんどん単語の意味だけを積み重ねて理解していく練習をすることで
       す。



------ はじめに読者からの質問です。
      「シャドウイングする時は、英語の意味を理解しなくても良いのでしょう
       か?」

yumi   意味を理解するというのは、和訳ということでしょうかね?
       はじめは難しいかもしれませんが、あえて和訳をしないようにしてくださ
       い。その英語の単語をイメージで聞くような感じといえば良いでしょうか?
       私たち日本人は英語を日本語に変換して理解する勉強をしてきたので、自
       然に英語を聞くと和訳するくせがついています。
       しかし、それではいわゆる英語の回路というのはできません。
       シャドウイングが有効なのは、その英語を日本語に変える余裕がないこと
       です。強制的に日本語の回路を切ってしまうことにあると思います。

------ 本来、言葉は音から入るべきところを、文字から勉強しているからそうな
       るんですかね。聞くところによると、どこの国でも、英語の授業はすべて
       英語で行われているようですが・・・

yumi   そうですね。ただ、それはヨーロッパ言語系が文法的に近いということも
       あると思います。そういう意味では、日本人はスタートラインから、不利
       と言えるかもしれませんね。

------ それは、このメールマガジンのテーマでもあるんですが、語順の違いと音
       の違いですね。

yumi   ええ、ですから、私は個人的には文法の学習は大事であると思っています。
       特に、日本語との違いとか、英語の論理性を学ぶことは必要だと思います。
       ただ、それは英語を語順のままに理解するためのものだということです。
       それを日本語の語順に置き換えるのでは良くないと思います。

------ そういう意味では、英語を語順のままに理解せざるを得ないシャドウイン
       グは、非常に有益である言えますね。



------ また、今回もシャドウイングについての読者からの質問です。
      「シャドウイングをスピーキングに応用する有効な練習はありますか?」

yumi   前にも説明しましたけど、スピーキングに力を入れるのでしたら、リプロ
       ダクションに重点を置いてはどうでしょうか?

------ 復習しますと
       (1)英語のテープなどを文節で切って再生させ、その音を聞いた後に同
       じように音を真似て再現することを何度も繰り返す。
       (2)文章単位でこれを行う。完全に話し手になりきって、その英文を再
       現する。
       (3)今度はその英文を聞いて、自分の言葉で言い直す。

yumi   ただ、(1)と(2)を繰り返しても、文の構造を理解しないと(3)の
       応用はなかなかできません。ですから、同時並行して基本的な構文などを
       学習する必要があります。

------ たしかに、いくら例文を覚えても、その例文を使う同じ状況になるとこと
       は滅多にないですね。やはり、応用力をつけることが大事なのですね。

yumi   ある程度、構文が頭に入ってくると、単語を入れ替えて文章を作ることが
       可能になります。あとは、それをつなげていくことになります。
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